最近暇な肉屋、本業が何かわからなくなっているんですが美味しい物に目が無いことだけは間違いありません。そんなわけで、またまたやってしまいました。ベジョータ三種の味比べ。
こういうのすごく好きなんですよ。
まず最初のベジョータは、世間一杯でベジョータと言えば見たいな30ヶ月熟成です。ハモン・イベリコの定義というのは、50%以上のイベリコ豚の血が混ざっている豚の後ろ足を二回夏の暑さをくぐらせた物を言います。つまり生産時期によっては24ヶ月しなくてもベジョータって言える時がある。やっぱり熟成期間が長くなればなるほどコストがかかりますから早い時期に出荷しようとするのは当然の企業活動。
元々の豚もいろいろ有って、ヨーロッパのフライパンと呼ばれるスペインの高原で秋から冬にかけて放牧され丸々と太った(増体率が50%)豚をベジョータと呼び、イベリコの中でも最高峰と言われます。
ベジョータ以外にもピエンソ、レセボというグレードがあって、ピエンソは放牧をせずに育てた物。レセボは放牧した上に肥育して補った物という意味です。
というイベリコ豚ですが、ベジョータが最高なんですがやぱりそのベジョータの中でもグレードがあって、今回はその中の三種類を手切りで味わっていただこうという趣向です。
今回のベジョータはすべてサラマンカ州のギフエロという所で作られたベジョータです。ギフエロは人口5000人程度の小さな街ですが、主要な産業がイベリコというハムの街です。
そんなわけで、まず最初のベジョータは30ヶ月熟成のベジョータです。これは定番のベジョータで味が濃いのでたくさん食べられないという方もいらっしゃいます。
次が、53ヶ月熟成のベジョータです。53ヶ月というと夏を二回どころか、4回越していますから熟成された芳醇な味わいが感じられます。とにかく味が濃いです。これはベジョータ・オロという名称です。オロというのはスペイン語でゴールドという意味です。抜群の品質を誇るオロですが、通常のベジョータより長期の放牧をして体格をおおきくしているため、長期熟成に耐えられるのです。生半可なベジョータではむずかしい事です。
最後に新登場の純血のベジョータ。ベジョータの決まりは50%の血統ですから100%の純血がいかにすごいかご理解いただけると思います。53ヶ月と30ヶ月のベジョータは75%の血統です。だからほんとにすごいんです。沖縄のアグー豚は純血を取り戻すため、近親交配を続け多くの奇形を出したそうです。それでも純血を取り戻したかった。それだけの努力があっての純血です。
ということで、そのすごさ是非確かめて見てください。
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